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NEWS(お知らせ)未来の学び協創研究センター主催第30回セミナー 北海道教育大学×東京学芸大学 共催「探究のQ -子どもと探究活動と教師の学びと-」を開催しました

2026年1月5日

 令和7年12月20日(土)、未来の学び協創研究センター主催第30回セミナー「探究のQ」を開催しました。
 このセミナーは東京学芸大学(東京都小金井市)において、東京学芸大学教育インキュベーション推進機構、一般社団法人東京学芸大Explayground推進機構、および北海道教育大学未来の学び協創研究センター(Hue未来ラボ)の共催によるイベント「未完成のワクワクが集い、磨き、創る一日FES」のメインシンポジウムです。


 全国から教育関係者、学生、企業関係者、対面?オンライン合わせて102名の申し込みがあり、当日参加の方もたくさん訪れていただきました。
 本学からは岩見沢校の山本理人キャンパス長がクロストークのコーディネートと講演を行い、未来の学び協創研究センターの佐藤正範副センター長が司会進行とコーディネーターとなり開催し、熱気あふれる議論が展開されました。
 本セッションは、小?中?高等学校で定着しつつある「探究学習」について、成功事例の表層的な共有にとどまらず、その実装プロセスの「泥臭い」試行錯誤や、教員個人と学校組織の葛藤にスポットを当て、「探究のQuestion(問い)/ Quest(探求)/ Qualia(質感)」を参加者と共に考える双方向的な場として企画されました。

 前半のトークセッションでは、探究学習のトップランナーである6組の実践者が登壇しました。
 ?行政の立場から登壇した渋谷区教育委員会の柳田俊氏は、午後の時間を探究に充てる「シブヤ未来科」の導入経緯を報告しました。
 「手探りでのスタート」と率直に語りつつも、地域や保護者の方との伴奏による探究活動で学力は維持され、自己肯定感が向上しているデータを示しました。
 ?泉大津市立小津中学校の大達雄教諭は、生徒自身が学校の最上位目標「学校のコンパス」を作成し、カリキュラムをリデザインする「共創プロジェクト」について発表し、「生徒が創る学校」を掲げ、失敗も含めて生徒の学びとする姿勢を強調しました。
 新渡戸文化学園の山藤旅聞副校長?中村早知教諭は、教室を飛び出し自炊しながら旅をするスタディツアーを通じ、生徒が「好き」や「違和感」から社会課題へアプローチする様子を報告しました。
 ドルトン東京学園の小岩井僚教諭?沖奈保子教諭は、生徒が必要な時間を自分で計画する「自由」の創出に向けた時間割改革の現状と、教員側の葛藤を共有しました。
 ?個人への関わりについては、函館西高校の長澤元子教諭が、生徒を「推し」と捉え徹底的に伴走する「推し活」としての探究指導を提唱しました。
 新宿区立富久小学校の岩本紅葉教諭(図工専科)は、図工という教科自体が本来持つ探究性に着目し、素材との出会いから創造の扉を開くプロセスを可視化しました。

 後半のクロストークおよび質疑応答では、本学岩見沢校の山本理人キャンパス長、東京学芸大学の大谷忠教授がコメンテーターとなり、「探究の進め方」「探究の広げ方」をテーマに議論が深められました。
 「探究の進め方」では、テーマ設定において必ずしも「社会課題」を入り口にする必要はなく、個人の「好き」や身近な「モヤモヤ」から出発することの重要性が再確認されました。
 大谷教授は、「なぜ?」を突き詰める従来の学校的な「探究のサイクル」だけでなく、まずアイデアを形にしてやってみる「創造のサイクル」を回すことで、結果として探究のスイッチが入るという「創造と探究の循環」の重要性を提唱し、参加者に大きな気づきを与えました。

 「探究の広げ方」をテーマとしたセッションでは、縦軸(時間的?校種的な広がり)と横軸(空間?領域的な広がり)の軸をもとに議論がなされ、連携における教員の負担感や、学校内での教員の温度差といった課題について率直な意見交換が行われました。
 「目的化せずに生徒の『やりたい』を起点にする」「ワークショップ形式で教員間の目線合わせを行う」といった具体的な解決策が提示され、山本キャンパス長は「子供たちの要望(ニーズ)」に寄り添う大人の支え方が重要になる」と総括し、明日からの実践に資する知見が共有されました。
 セッションの総括として、本学未来の学び協創研究センターの佐藤正範副センター長は、「探究は『未完成』であることを許容し、試行錯誤の過程を価値とする営みであり、本日のような学校種や立場を超えた対話こそが、充実した探究活動を創る鍵になる」と総括しました。
 
 本イベントは、対面?オンラインを合わせたハイブリッド形式で実施され、後半には各登壇者による個別ワークショップも行われました。
 参加者からは「校種を超えた『縦の接続』の課題が明確になった」「綺麗な成功談だけでなく、泥臭いプロセスが聞けて勇気をもらえた」等の声が寄せられ、探究学習のフェーズが「導入」から「質の向上?接続」へと移行していることが浮き彫りとなる一日となりました。

 今後も両大学の連携により、こうした協創の場を継続的に設けていく予定です。

 ※お詫び オンライン配信のURLが届いていなかった方がおられる事がわかりました。
別途メールにてアーカイブを共有させていただいております。改めてお詫び申し上げます。


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