地域協働推進の取り組み地域と異文化特別講義「観光と生活空間の対立を超えて~訪日外国人観光に対する地域社会の期待と葛藤」を実施しました
2019年2月12日
平成31年2月4日(月)に本学アクティブラーニング室において、地域と異文化特別講義「観光と生活空間の対立を超えて~訪日外国人観光に対する地域社会の期待と葛藤」を実施しました。本講座は平成30年度より開設した本学学生を対象とした観光人材養成を目的とする「HAKODATEコンシェルジュ養成プログラム」の中で、平成31年度開講予定の「地域と異文化」について、有識者からそのあり方についてアドバイスをいただき、ディスカッションを通して本養成プログラムの内容充実を図るため、実施されました。
講師として、 須藤 廣 氏(跡見学園女子大学教授)、濱野 健 氏(北九州市立大学准教授)を招き、「オーバーツーリズム」を中心とした外国人観光客の増加と地域社会との葛藤について事例を交えながらの講義となりました。
濱野氏からは、オーバーツーリズム の一般的な概念の整理と国内におけるオーバーツーリズムの特徴について解説を踏まえ、「近年の観光は、より現地の『リアル』な体験を求める傾向があり、受け入れ側としては人の動きが予想しづらく、地域がどのように変容するべきか課題となっている」と昨今の訪日観光の増加とそれに伴う日本社会の反応について社会学的な観点からの分析が述べられました。
また、濱野氏の話しを受け、須藤氏からは観光産業と異文化理解に関してお話しいただきました。須藤氏は、「近年の観光では生活の場と観光の場のすみわけができなくなり、その結果としてオーバーツーリズムが発生している。特に観光客による環境?文化の破壊が取り沙汰されており、低価格帯の観光客を排斥することで解決しようとする動きがある。しかし、異文化理解によって解決するべきなのではないか」と強調されていました。
△北九州市立大学准教授 濱野 氏△ △跡見学園女子大学教授 須藤 氏△
参加学生の質問によりディスカッションを行い、本学の池ノ上准教授から北海道地域の事例についても紹介があり、観光をテーマとした地域と異文化について議論が交わされました。
最後には学生に向けて、「様々な切り口を身に着けてほしい」、「社会科学の知識を上手く使い、人と人をつなげられる力を身に着けてほしい」とエールをいただきました。
函館校では、今回のご講演によりいただいた意見を参考に、本プログラムをより良いものとするべく、引き続き運営してまいります。