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  1. 国立大学法人 北海道教育大学
  2. 大学紹介
  3. 学長室から
  4. 学長メッセージ
  5. 平成27年度
  6. 平成27年度卒業式式辞

大学紹介平成27年度卒業式式辞

 平成27年度の学位記授与式を挙行するにあたり、北海道教育大学の教職員を代表して卒業生?修了生の皆さんにお祝いの言葉を述べさせていただきます。
 本日は、後援会、同窓会をはじめ多くの来賓の皆様、保護者の皆様のご参列をいただき、平成27年度の学位記授与式を挙行することができましたことをお礼申し上げますとともに、関係者の皆様にお祝い申し上げます。
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 各校の学部卒業、特別別科並びに大学院修了の皆さん、卒業、修了おめでとうございます。本年の学部卒業者は1,225人、特別別科修了者21人、大学院修了者124人の合計1,370人です。皆さんはそのうちの一人として、それぞれの誇りと思い出を胸に今日、本学を卒業?修了し、勇躍社会に巣立っていくことになります。
 卒業?修了する皆さん、これまでの人生をしばし振り返ってみましょう。あなたを陰に陽に支え、成長を見守り、アドバイスを送ってきたご両親や兄弟、あなたと共に笑い、共に涙し、時にはあなたと対立しながら共感もし合えた多くの友人、あなたの生き方に影響を及ぼした学校の先生、あるいは書籍。あなたがここまで成長するのに、一人の力では不可能だったはずです。私たちは、いかに多くの人たちの力を借りて、あるいは影響を受けながら生きてきたことか。
 卒業式というのは、学業を終える一つの区切りです。明日からは自分の力で生きていく、そのスタートラインに今立っているのです。ここまで支えてくれたあまたの人たちに思いをはせ、感謝し、決意を新たに新しい一歩を踏み出しましょう。
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 さて、本日ご列席の保護者の皆様にとりましても、感慨無量な気持ちでこの卒業式をお迎えになっているのではないでしょうか。とりわけ、遠方にお住まいの方々にとりましては、お子さんの下宿やアパー
ト、マンション?寮などを探しに来られたのは、ほんのついこの間のことのように感じていることでしょう。一人暮らしさせることへの不安もあったと思います。そんなことを思うにつけ頭に浮かんでくる歌があります。あとで知ったことですが、兄が弟を気遣う歌だということです。しかし同時に、両親の気持ちをも思い遣ったものだと思います。
 さだまさしさん作詞?作曲の「案山子」という歌です。その一部を紹介させてください。(歌詞省略)
 

 皆さんの気持ちを代弁していないでしょうか? ラインやメールの時代になってしまいましたが、時代が変わっても変わらない親?兄弟の心情を表していると思います。
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 卒業生の皆さん、今度はあなた方が次の世代の子どもを心配し、同僚や後輩を支える番です。
 さて、皆さんが学業生活を終えて卒業するという節目にあたって、この十六年間受けてきた「教育」とはなんだったのか、改めて振り返ってみましょう。
 辞書の言葉を借りれば、教育とは「人の成長?発達を促す意図的な営み」とあります。この「意図」とは何かという点を切り口に考えてみましょう。
 大学を卒業すれば、社会人として一人の力で生計を立て、判断しながら生きていかなくてはなりません。その点から言えば「『自立』するだけの能力を育成するため」というのが一つの答え方になるかも知れません。もう少しその中身を考えてみましょう。
 社会の中では、例えば「教師」、例えば「地域まちづくり課の職員」といった、何らかの社会的役割を持ちます。その役割を責任持って成し遂げていくための責任感を養い、専門的に必要な知識を学ばなければなりません。身につけた知識を活用して判断する力も、徐々に培われていくでしょう。
 自立して一人で生きていくといっても、社会の中で生きていく以上、必ず人とのコミュニケーションが必要です。そこには相手に対する思いやりが無くては円滑に進みません。自分の考えをしっかり持つとともに相手が考えることへの理解と話し合う能力も不可欠です。
 そして、社会生活を営むための道徳性と規範意識を身につけることも大事でしょう。
 さらに、現代のグローバル化した社会においては、文化?歴史の違う国や社会についても理解していなくては衝突を招くことになります。
 一人前の自立した人間を社会に送り出すために、これだけのことを十六年間という長い年月をかけて、また、多くの人間を通して行ってきたということです。その営みが教育というものが持つ側面だったと言えます。
 ただ、最近の社会は変化が激しく、ある知識がたちまち陳腐化する世の中になってしまいました。そのため、学業としては一区切りですが、「学び続ける」ことが必要になります。そのための土台もこれまでの教育で築かれたはずです。
 こんなことは今更言うまでもないことだったかも知れません。
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 ここで、今述べたような切り口とは異なる、教育が為されないことの不幸、という点から見た教育の重要性について、話してみたいと思います。
 私にそのように考える機会を与え、同時に、教育に携わる者としての責任の重さを痛感させたのは、2014年のノーベル平和賞を受賞したマララ?ユスフザイさんのスピーチです。一部を抜粋して紹介します。マララさんは、タリバンに銃で頭を撃たれながらも生還し、教育の重要性について訴えています。
? I do not even hate the Talib who shot me. (中略)


?? This is what my soul is telling me: be peaceful and love everyone.(中略)


?? Dear brothers and sisters, we want schools and education for every child's bright future.(中略)


?? Dear brothers and sisters, we must not forget that millions of people are suffering from
poverty, injustice and ignorance.?We must not forget that millions of children are out of
their schools.?We must not forget that our sisters and brothers are waiting for a bright,
peaceful future.

?? So let us wage, so let us wage a glorious struggle against illiteracy, poverty and
terrorism, and let us pick up our books and our pens, they are the most
powerful weapons. One child, one teacher, one book and one pen can change the world. Education is the only solution. Education first.
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(2013年7月12日付け、国連が配信する2013年7月12日に行われたマララ?ユスフザイ氏による国連演説の動画より)
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 マララさんは自分を撃ったタリバンを憎しみの対象として見ていないと言います。英語は省略しましたが、それは、自分が様々な人から学んだ「慈悲の心」「変革を起こす心」「非暴力の哲学」、そして両親から学んだ「許す心」のおかげだと言います。こうも言っていました。「私の魂が『穏やかであれ、全ての人を愛せよ』と語りかけている」と。そして最後に、「無学、貧困、テロに対して戦おう」「本を手に取りペンを持とう、それが最も強力な武器になる。」「教育こそたった一つの解決策だ」と結んでいま
す。とりわけ子どもたちへの愛と慈しみの心があふれるまなざしをもったスピーチでした。
 「教育こそ第一なんです」という最後の悲痛な叫びが、平和な世に暮らす私たちに大きな衝撃を与えます。
 文化的?歴史的背景が異なる者への理解のために、それぞれが自立した人間として生きていることへの尊敬と思いやりを育てるために、そして平和な世界を作るための唯一の手段として教育がある、あるいは教育の根底には愛や慈しむ心があるといったことを改めて教えられた気がします。
 このスピーチは彼女が17歳の時に行ったものです。どうか北海道教育大学という大学を卒業するという区切りに、これから進もうという道がどんなものであれ、「教育」とは何であったのか?自分はこれからどうすればよいのか?考えてみてください。もちろん答えは一つではありません。

 ここで、この4年間あるいは6年間のなかで、今回卒業?修了を迎えた仲間がどういう活躍をしてきたか、少し紹介したいと思います。それぞれが身につけた学業の成果であり、成長の証だと思います。ただ、あらかじめ謝っておかなくてはなりませんが、ここで紹介できるのはごく一部の活動に過ぎません。
 一つ目に紹介するのは、平成24年22月21日に放映されたNHK BS1の地球アゴラ、「若い力が地域を変える ~北海道教育大学の挑戦~」という番組です。函館校 人間地域科学課程 地域創成専攻及び国際地域学科の皆さんが出演しました。二時間枠の放送です。その中に吉岡由樹恵さんが入っています。司会者の問いかけに対し、出演した学生の皆さんは、それぞれがまちづくりや地域を見つめ直す活動を通して学んだことを基に、自分の考えを堂々と述べていました。本学の学生も立派に成長していることを知り胸が熱くなりました。
 釧路校の長原茉奈美さんは、3年生の時に「アジア?太平洋ろう者バドミントン選手権」において、日本代表として出場し、女子ダブルス優勝、女子シングルス第3位という優秀な成績を修め、学生表彰を受けています。また、上山達也君を含む旭川校卓球同好会のチームが、全道大会で優勝、早福光一郎君を含む函館校の環境科学専攻チーム、チーム名はイカ☆しちゃってるBoysだそうですが、函館アカデミックリンク2015においてイカ墨に関する研究成果が審査員特別賞の対象になりました。さらに、岩見沢校の石原優香さんは、日本バッハコンクールで銅賞、札幌市民芸術祭?新人音楽会で大賞、そして、第7回
Miyoshi Netピアノコンクール本戦特別部門で第2位に入賞しています。
 大学院修士課程では、札幌校の八代裕平君が雪氷研究大会の口頭発表部門で優秀賞、旭川校の金山幸平君は日本の英語教育学会やハワイ教育に関する国際会議で発表するなど、学術面で功績がありました。また、岩見沢校の吉村里絵子さんは、国内外のアニメ映画祭や学生映像作品展など数々のコンペで入選や優秀作品に選ばれています。また、立岡洵さんはイタリアの国際コンクールピアノ部門で第3位に入賞しています。
 皆さん、本当によく頑張りました。大変嬉しく思います。
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 さて、そろそろ終わりにします。
 皆さんにとっての母校ということになる北海道教育大学も、「入学していい大学だった」と振り返ってもらえるように、まだまだ様々な改善に取り組んで成長していきます。カリキュラムも変わります。教職員の意識もStudents first 学生が第一だという方向を向いて、一丸となって取り組むようにしたいと思います。そんな大学から皆さんの後輩が次に巣立っていきます。その時には温かく迎えてほしいと思います。どうかよろしくお願いします。

 最後に、卒業?修了する皆さんが、北海道教育大学で学んだことに自信と誇りを持って、大きく飛躍し、多方面で活躍されることを心より祈念し、私の式辞といたします。
 本日は卒業?修了おめでとうございます。


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平成28年3月15日
北海道教育大学長
蛇 穴 治 夫

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